数年前の話です。
亡き父がアルコール性の認知症になって問題を起こし続けたときに、私はすぐに精神的に限界に達しました。
ほんとうに初めての経験だったので、どう対処していいのか全くわからずに混乱してばかりでした。
父の早朝の来訪で睡眠不足にもなり、心身とも疲れ果ててしまっていました。
うちが不在なときにガラスを石で割られたこともありました。
父はサービス付き高齢者向け住宅に住んでいましたが、玄関のドアは24時間出入り自由な状態で、玄関をでてすぐのところに酒を販売しているコンビニがあり、誰も静止する人が居ない環境での禁酒など、今思えばかなり無理があったと思います。
酒を飲んだら今度は徘徊が始まりました。
歩きながら酒を飲み、そして路上で寝込みました。
通行人の方々がなんども警察に連絡してくれて、私が慌てて迎えにいきました。
道路に倒れこむときに手が出ずに顔面から・・
そのまま救急車で搬送などは日常のことでした。
私は車を維持しておらず、カーシェアもまだ利用していなかったので、深夜などタクシーを使うことも多く、万単位の金を使うこもをしばしばしました。
アルコール外来でアルコールの飲みすぎで脳のところどころに黒い影が写り、医師もびっくりするほど脳の萎縮?みたいなことが起きていました。
私は以前からときどきでてくる鬱症状がで始めました。
もうこんな苦しみから逃げたい、父を殺すか自分が死ぬかどっちかかもと思い詰めたこともありました。
しかし、私には大切な息子がいます。
そんなことをしたらどんなに息子に悲しみを与えてしまうのでしょう。
私はとにかく考えました。
とにかくまず冷静になることに努め、そして今後どうすればいいのかを考え、とにかく誰かに相談しようと思いました。
そして、地域包括センター(地域名のお年寄りセンターという名称のこともある)に電話をしてすべてのことを話し、助けて欲しい旨を伝えました。
ここが私が後に助かった一番のポイントです。
すぐに担当者がいろいろと相談にのってくれて、父をアルコール専門の精神科に連れていくことを提案され、一緒に同行してくれることになりました。
そして、医師とセンターの担当者と私の3人で父を医療保護入院をさせることにしました。
医療保護入院は本人の意思によらずに、半ば強制的に入院させる方法で、本人の行動により本人自身や家族を守ることを目的として認められているもの(都知事の許可書類が必要)です。
3か月間の入院を終える(基本的に3か月以内の入院となります)と、地域包括センターの担当者が探してくれたグループホームに入所することになっていました。
私は最初、地域包括センターだけでなく、社会福祉協議会にも相談に乗ってもらっていたのですが、地域包括センターと社会福祉協議会が協議して、地域包括センターが1つの窓口になって私をサポートするということになったそうです。
今ここを読んで下さっている、当時の私と同じ境遇にいる方に伝えたいことは、とにかく1人で悩まないことです。
1人とは家族を含めてのことで、つまり認知症やアルコール依存症などの問題の素人だけで悩まないということです。
認知症、アルコール、薬物依存などの問題は私やあなただけの問題ではなく、日本が抱える大きな問題の1つです。
だから国や自治体も相談に応じる体制は整っています(少々形式的なところはありますが)。
もちろん、地域包括センターの担当者にだけ任せきりにするのではなく、自分でもネットなどで情報を入手していく必要もあります。
とにかく、まず電話で役所に聞いてください!
こういう問題はどこに相談すればいいかを。
今すぐにでも。